都立八柱霊園前のうめ家石材店です。
定期的にご親族のお墓にお参りにいらっしゃるお客様。
お墓の持ち主とは弊社もお客様も連絡が取れていない状態でした。
使用許可証はお預かりしたままでした。
あるときご来店の方が
「○○のお墓のこと知っていますか?」
「はい、弊社で施工させていただいていますよ。」
「父がなくなりました。宗派もお墓の手続きもわからないんです」
詳しくご事情をうかがいました。
また、弊社が知っていることもお話させていただきました。
そこで初めて、つながる親子の想いや親族の縁が明らかにつながりました。
ご自分のお名前の由来も・・・。
そして、ご親族が長くお墓の手入れをしていたこともお伝えしました。
ご親族と連絡が途絶えていた理由はご本人も知りません。
もちろん弊社もです。
でも亡くなったお父様が、ご親族と連絡を取らなかった理由があるのなら今しばらくそのままにしておきたい、とのことでした。何か、理由があるはずと・・・。
「ご親族がお参りにいらしたとき、お父様がお亡くなりになったことをお伝えしてもいいですか?」
「それは、構いません。是非伝えてください。お参りしてくれていたことは感謝しかありません。」
無事に納骨が済みました。
お父様の遺品整理をしていたら一枚の写真が出てきたそうです。
その写真には、お墓の前でお父様に抱っこされた赤ちゃんのお施主様の姿が。
その写真でお父様に愛されていたことを実感したそうです。
しばらくして、いつものご親族様がお参りにいらっしゃいました。
「○○様お亡くなりになりました。お参りにいらしたら伝えて欲しいと△△様からことづかりした。」
お墓参りを済ませたご親族様に納骨のいきさつをお伝えしました。
写真のエピソードも。
「きっと、お墓の中のおじいちゃんとおばあちゃんは喜んでいると思います。」と涙ぐんでいらっしゃいました。
お墓でご自宅のご家族にすぐ電話したそうです。
ちょっとだけご親族を繋げるお手伝いが出来てうれしく思います。
お墓をお参りする人が増えるのはうれしいことです。
お墓でご親族のご縁を再びつなげることは、弊社ではよくあることです。
存命中、どんないきさつでご縁が途切れたかはわかりません。
しかし、きっとどこかで繋がっています。
その手掛かりがお墓です。
お墓は一家族だけのものではありません。(管理はおひとりですが)
そのお墓にお参りしたいご縁を持つ人は、名義人が思う以上にいるのです。
友だち然り、まして親族ともなればなおさらです。
父の死をきっかけに父の愛を知り
親族のお墓愛を知り
途切れたご縁が少しだけ繋がりました。
ご親族様に
「いつか、本を書くことがあったら このこともエピソードに是非加えてください!」
と言われましたが・・・。
そんな日が来るかは別として
墓石屋冥利に尽きる出来事でした。
今日も最後まで読んできただきありがとうございました。