母の延命治療についてはじめて決断しなければならなかった日。
母が入院している病院から、呼び出しがありました。
当初2週間くらいの入院予定でした。
そろそろ退院かな?
そんな風に考えていました。
「今日明日が山です。
延命治療しますか?」
即答できなかった私は、一度帰宅し
母と入れ替わりに退院したばかりの
父と再度病院にきました。
・延命治療はどんなことをするのか。
・本人の負担はどんなものか。
・回復の見込みがあるのか。
説明を受け、父と決めたのは
「延命治療はしない」でした。
母は死ぬのです。
前日まで、うどんを食べていたそうです。
医師に余命を宣告された日も、
入れ歯を外していたのでうまく話せないでいましたが、ジェスチャーで
「その、ビスケットが食べたい❗」と
話していました。
「口の中が出血しているから、今日は絶食だって先生が言ってたよ。そういえば、安部さんが首相になったよ。新聞買って来ようか?」
と話したら、母は私に向かって合掌して
「ありがとう」と言いました。
それが母の最後の言葉でした。
母は最後をわかっていたのかもしれません。
その後、家族を呼び微かな意思を感じながらお別れをしました。
最後、ひとりで母を見おくりました。
これが私がはじめて「延命治療」を考えた日です。
母の意思は確認していません。
ただ、発病から手術、治療、介護の中で
「死ぬことは怖くない。」
そう言っていた母は、成すべきことはすませたからいつ死んでも構わないとも言っていました。
きっと「延命治療」は望まないだろう、と父と私で判断しただけです。
その後、父とは確認しました。
「延命治療する?」
「しない❗」
母の死から2年半後、
父も旅立ちました。
父とは「延命治療」について意思の確認をしていたので迷うことなく判断できました。
命の限りには順番はありません。
もしもの時、どうして欲しいか話してみてください。
「延命治療」について、家族と話し合うことをおすすめします。できれば定期的に話し合うことを提案します。
残される者、残して逝く者 両方残して視点で。
そして、その先にあるお墓のことも❗